はじめに
少しずつ空気が澄み始め、日差しがやわらぐ秋。
夏の喧騒が落ち着いた鎌倉・湘南エリアは、まさに大人女子旅にぴったりの季節です。
木々がほんのり色づき始める鶴岡八幡宮の参道、潮風を感じながら歩く由比ヶ浜の海岸、そして湘南の海を眺めるカフェで過ごす午後。
慌ただしい日常を少し離れて、心と体をゆっくり整える。
そんな「秋のリトリート旅」を、都内から日帰りで楽しめるのが鎌倉・湘南の魅力です。
この記事では、秋の鎌倉・湘南を思いきり満喫できる癒しの大人女子旅プランを、朝から夕方までの時間軸に沿ってご紹介します。
鎌倉・湘南が「秋」におすすめな理由
鎌倉や湘南と聞くと夏の観光地というイメージを持つ方も多いですが、実は秋こそベストシーズン。
理由は大きく3つあります。
1. 気温と湿度がちょうどいい
秋は平均気温20℃前後。
海沿いの風も心地よく、長時間の散策やカフェ巡りにもぴったりです。
真夏のような暑さもなく、観光客のピークも過ぎるため、静かでゆったりとした時間を過ごせます。
2. 紅葉と海風の二重の癒しが楽しめる
鶴岡八幡宮や長谷寺など、鎌倉は紅葉の名所が多く、木々の赤や黄色と海の青が重なる景色は秋ならでは。
湘南では七里ヶ浜からの夕景が格別で、日没時間が早い秋だからこそ味わえる“黄金色の海”が広がります。
3. カフェや雑貨店が秋限定メニューを展開
鎌倉・湘南エリアでは、秋になるとスイーツやドリンクも一気に秋仕様に。
モンブラン、焼き芋ラテ、スパイスチャイ、かぼちゃのケーキなど、この季節限定のメニューが楽しめます。
モーニング:鎌倉駅からスタート!静かな朝の小町通りへ
日帰り旅を楽しむなら、朝9時前に鎌倉駅へ到着するのが理想です。
都心からなら、JR横須賀線または湘南新宿ラインで約1時間。
鎌倉駅東口を出たら「小町通り」へ
朝の小町通りは、観光客が少なく静かな時間が流れています。
お店が開き始める9〜10時の間に歩くと、石畳の路地や軒先の花が一層映えて、カメラ片手に散策するのが楽しくなります。
鶴岡八幡宮で心を整える
小町通りを抜けると、鎌倉の象徴「鶴岡八幡宮」が見えてきます。
秋は木々が色づき始め、参道の空気も少しひんやり。
境内では、朝の清々しい空気に包まれながら手を合わせると、自然と心が落ち着き、日常の疲れがすっと抜けていくようです。
ちょっとした豆知識
鶴岡八幡宮の本殿裏にある「源氏池」は、風が穏やかな朝に訪れると、水面に紅葉が映る鏡のような景色が見られることも。
午前:長谷寺と由比ヶ浜をのんびり散策
鶴岡八幡宮から徒歩でも、江ノ電でもアクセスできる長谷方面。
のんびり歩くなら、鎌倉駅から江ノ電に乗って「長谷駅」で下車するのがおすすめです。
長谷寺で秋色の絶景を楽しむ
長谷寺は、四季折々の花が咲くことで知られる鎌倉随一の観光スポット。
秋には紅葉と銀杏が境内を彩り、見晴らし台からは相模湾を一望できます。
境内の木々が赤や黄に染まる時期(11月中旬〜12月初旬)は、カメラを持った女性観光客が多く、SNS映えするスポットとしても人気。
長谷寺のおすすめポイント
- 見晴台からの海景色:秋晴れの日は富士山が見えることも。
- 観音堂:静寂の中で心を整える時間。
- 写経体験:30分ほどで体験可能。心がすっと落ち着くと評判。
由比ヶ浜で海風を感じながらリラックス
長谷寺から徒歩10分ほどで到着するのが由比ヶ浜海岸。
夏の賑わいとは違い、秋の海は静かで、波音がやさしく響きます。
砂浜を裸足で歩くと、冷たい風が足元を包み込み、まるで自然の中でリセットされるような感覚に。
秋の由比ヶ浜の魅力
- 観光客が少なく、穏やかな雰囲気
- カモメやサーファーが絵になる風景
- 夕方になると空がピンクやオレンジに染まる
海辺のランチは「Pacific DRIVE-IN」で
由比ヶ浜から少し足を伸ばして、七里ヶ浜駅近くへ。
海沿いの人気店「Pacific DRIVE-IN」では、ハワイアンメニューが楽しめます。
テラス席で海を眺めながらのランチは、まさに湘南時間。
秋の風が心地よく、写真を撮る手も止まらないでしょう。
午後の湘南さんぽと江ノ電で巡る癒し時間
午前中に鎌倉の街と海を楽しんだら、午後は江ノ電でのんびり湘南へ。
秋の午後は日差しが柔らかく、カフェや雑貨屋を巡るにはちょうどいい時間帯です。
車窓に流れる海と街のコントラストが、まるで映画のような旅情を演出してくれます。
江ノ電に揺られて、秋の風を感じる旅へ
鎌倉から藤沢をつなぐ江ノ電は、湘南観光の象徴とも言える存在。
車窓から見える景色は、季節ごとに違う表情を見せてくれます。
秋の江ノ電は観光客が落ち着き、ゆったりと座って景色を楽しめるのが魅力です。
江ノ電のおすすめ区間
鎌倉駅 → 極楽寺 → 七里ヶ浜 → 江ノ島
このルートは、自然・街並み・海の全てを楽しめる黄金コース。
所要時間は約25分ほどですが、途中で下車しながら巡るのが大人旅の楽しみです。
極楽寺駅:ノスタルジックな静けさに癒される
極楽寺駅は、江ノ電の中でも特にフォトジェニックな無人駅として人気。
木造の駅舎と周囲の竹林が秋の日差しに映え、まるで昭和の映画のワンシーンのようです。
駅周辺の見どころ
- 極楽寺:紅葉と静寂が美しいお寺。
- 成就院の階段:上りきった先に見える海の景色が圧巻。
秋の午後に歩くと、どこか懐かしく、胸の奥がじんわり温かくなる。
そんな不思議な空気が、この小さな駅には流れています。
七里ヶ浜:海を眺める特等席で過ごす午後
極楽寺からひと駅の「七里ヶ浜」は、湘南でも人気の高いエリア。
海沿いのカフェや雑貨店が点在し、波音を聞きながら過ごす時間は格別です。
七里ヶ浜のビーチを歩く
食後は海沿いの遊歩道をのんびり散歩。
潮風を感じながら歩くと、体の緊張がゆるんでいくのを感じます。
波打ち際に足跡を残しながら、夕日に染まる空を眺める。
それだけで日々の忙しさがふっと軽くなる瞬間です。
江ノ島へ向かう途中で立ち寄りたい「鎌倉高校前」
七里ヶ浜からさらに進むと、アニメ『スラムダンク』の聖地として有名な「鎌倉高校前駅」へ。
遮断機越しに広がる海の景色は、まさに湘南を象徴するワンシーン。
夕方の光が線路と海を黄金色に染める時間帯は、カメラを構える観光客でにぎわいます。
ただし、地元の通行の妨げにならないよう注意しながら撮影を楽しみましょう。
江ノ島で感じる秋の癒し時間
江ノ電の終点「江ノ島駅」に着いたら、そこからは江ノ島まで徒歩またはエスカー(有料エスカレーター)でアクセス可能。
江ノ島の魅力は海・風・光のバランス
秋の江ノ島は、観光客が減ってゆったりとした空気が漂います。
島内の階段を上がっていくと、木々の間から見える海と空が広がり、まるで空中散歩をしているような気分に。
江ノ島サムエル・コッキング苑
江ノ島の頂上にある植物園。
秋にはコスモスやススキが咲き、展望台「シーキャンドル」からは、富士山と夕日が一度に見える贅沢なロケーションです。
夕方に訪れると、海に沈む太陽がオレンジから紫へとグラデーションを描く“湘南の秋色”が楽しめます。
江ノ島で立ち寄りたいグルメスポット
① 江ノ島小屋(えのしまごや)
新鮮な魚を使った定食が人気の食事処。
「まかない丼」や「釜揚げしらす丼」が絶品。
テラス席では潮風を感じながら、海を眺めて食事を楽しめます。
② Lon Café 江ノ島本店
江ノ島の高台にあるフレンチトースト専門店。
江ノ島神社で旅の締めくくり
江ノ島の中心にある「江島神社(えのしまじんじゃ)」は、日本三大弁財天の一つとして知られています。
芸能や金運、縁結びのご利益があるとされ、女性に人気のパワースポットです。
秋の夕暮れ時、神社の石段を上がると、朱色の鳥居と夕焼けが美しく重なり、まるで絵のような景色が広がります。
江ノ島から見る秋の夕日
江ノ島展望灯台「シーキャンドル」からの夕景は圧巻です。
特に秋は空気が澄み、富士山がくっきり見える日も多い季節。
海に沈む太陽を見ながら過ごす数分間は、まさに心の浄化時間。
「今日ここに来てよかった」と思える瞬間が、きっと訪れます。
秋の湘南で出会う癒しの瞬間
秋の湘南は、ただの観光ではなく、心を整える時間を与えてくれる場所です。
- 海辺で深呼吸をする
- 風に揺れるススキを眺める
- カフェで読書をする
- 江ノ電に揺られながら、窓の外をぼんやり眺める
どれも特別なことではないけれど、日常ではなかなか味わえない静かな豊かさがそこにあります。
旅の余韻を味わう癒しの宿と秋の見どころ
日帰り旅といっても、秋の鎌倉・湘南はもう少しここにいたいと思わせる魅力がたくさんあります。
帰る時間を少し遅らせて、夕暮れの街を歩いたり、温泉で体を温めたり。
そんなひとときをプラスするだけで、旅の満足度がぐっと上がります。
鎌倉・湘南で立ち寄りたい癒しの温泉・スパ
秋の海風で少し冷えた体を、温泉やスパで温めるのも大人旅の楽しみ。
鎌倉・藤沢エリアには、日帰り利用できる上質な施設が点在しています。
① 稲村ヶ崎温泉
七里ヶ浜と長谷の間に位置する、海が見える天然温泉。
茶褐色の湯が特徴で、ミネラルを豊富に含み、美肌効果があると評判。
露天風呂からは、天気が良ければ富士山と夕日を同時に眺めることができます。
- アクセス:江ノ電「稲村ヶ崎駅」徒歩5分
- 入浴料:1,200円前後
- 雰囲気:落ち着いた大人向け、カップルや女子旅にも人気
② 江の島アイランドスパ(えのすぱ)
江ノ島の入口にあるスパリゾート。
屋内外プール、岩盤浴、アロマトリートメントなどが揃っており、「旅の最後に癒しを」と思ったときにぴったりの場所。
特に、ガラス越しに海を眺めながら入る温泉は非日常感たっぷりです。
秋に訪れるべき鎌倉・湘南の見どころ
紅葉・海・グルメ・カフェ巡り……秋の鎌倉・湘南は、どこを切り取っても絵になります。
ここでは、特に「この季節だからこそ」訪れたいスポットをピックアップしました。
① 鶴岡八幡宮の紅葉ライトアップ
11月下旬から12月上旬にかけて行われる夜間ライトアップ。
参道の石畳に映る光の揺らめきが幻想的で、昼間とは違う荘厳な雰囲気に包まれます。
② 長谷寺の紅葉と竹あかり
長谷寺では紅葉の見頃に合わせて夜の拝観が行われ、境内が柔らかな竹灯籠に照らされます。
観音堂から見下ろす紅葉と海のコントラストは、まさに秋の鎌倉を象徴する絶景。
③ 湘南の夕景スポット「稲村ヶ崎公園」
秋の夕日は空気が澄んでいて、海に沈む太陽がより鮮やかに映ります。
稲村ヶ崎公園は富士山・江ノ島・夕日を一度に眺められる人気のビューポイント。
旅の終わりに立ち寄れば、最高の余韻を残してくれます。
鎌倉・湘南女子旅をもっと楽しむためのヒント
- 朝は早めに出発
9時までに鎌倉到着で、混雑を避けながら満喫できます。 - 服装はレイヤードで
海風が冷たく感じる午後は、薄手のニット+ストールが活躍。 - 移動は「江ノ電1日乗車券のりおりくん」
大人800円で乗り放題。カフェ巡りにも最適。 - 写真映えを狙うなら午前10時〜午後3時
秋の柔らかな光が、街と海をいちばんきれいに見せてくれます。
まとめ
秋の鎌倉・湘南は、夏の喧騒を過ぎて穏やかな時間が流れる季節。
紅葉、海風、カフェの香り、そのすべてが、日常の疲れを癒してくれます。
今回紹介した「大人女子旅プラン」は、忙しい日々の中でリセットしたい女性にぴったりの一日コースです。
ポイントをおさらいすると、
- 朝は鎌倉駅からスタートし、小町通りでモーニング
- 鶴岡八幡宮や長谷寺で秋の彩りを満喫
- 由比ヶ浜〜七里ヶ浜で海風を感じながらランチ
- 江ノ電で湘南へ向かい、江ノ島で夕日とスイーツを楽しむ
- 余裕があれば温泉やスパで癒しの時間を
紅葉と潮風が混ざるこの季節、あなたの週末に少しの贅沢を加えてみてください。
鎌倉・湘南の秋は、きっとあなたの心をそっと整えてくれます。


